さて、先月はご無沙汰してしまった。師走とはよく言ったものだ。そうして気づいたらもう月末だ。早いナー。ちょっと前まで年始だった気がするんだけどナー。で、今回は「戦いの原則」について紹介したいと思う。
◆「戦いの原則」とは
「戦いの原則」は、その名の通り「戦いで勝つための原則」である。現代において「戦いの原則」として知られているのは、①目標,②主導,③集中,④経済,⑤機動,⑥統一,⑦保全,⑧奇襲,⑨簡明の9つ。20世紀に入ってから確立されたもので、フラーという人が提唱したものを原型としている。
①目標の原則
どんな作戦や企画であっても、明確な一つの目標に基づいて立案し、終始一貫する必要がある、ということ。言う分には簡単だが、これが意外と難しい。時間が経つにつれて曖昧になったり、そもそもはっきりとした目標を定められていなかったりとかってことが結構ある。いつの間にか全く違うものになっていることさえある。……でもまぁ、ゲームにおいては割とはっきりしているだろう。ごく少数の例外を除けば、根本の目標は「楽しむこと」のはずだ。ストーリー系のゲームだったら「ストーリーを楽しむこと」だろうし、対戦系のゲームなら「勝つこと」で「楽しむ」といった具合だと思う。中にはネタに走ろうとする人もいるだろうが、プレイスタイルは人それぞれ。他の人の迷惑にならない範囲なのであれば、別に好きにしてもいいじゃない、と思う。ちなみに、リデル・ハートという人が考えた別の原則に、「予備目標への切り替えを許す作戦を選択せよ」というものもある。全くの別人が考えた原則同士ではある。それでもあえて組み合わせて考えるなら、「一つの作戦に対する目標は一つだけが望ましいけど、それぞれ別の目標を持った作戦を複数考えるのはOK」といったところだろうか。例えば、「ゲームで勝つこと」を目標としていたけれど、どうしても勝てないから「他の人の迷惑にならない範囲で、ネタに走ろう。勝ちにはこだわらない!」といった方針転換が考えられるのではなかろうか。どっちにしろ「楽しむこと」が大原則なことには変わらないだろうけどネ。
②主導の原則
一言で言ってしまえば、「主導権を握るべし」ということ。相手より先に、素早く動き、相手をこちらの思うように動かしたり動けなくしたりする。つまりは先手必勝。機先を制する、というやつだ。ちなみに、自衛隊の教範ではこの原則を「主動の原則」と呼び、米軍の教範では「攻勢の原則」と言うらしい。これもお国柄、ということだろうか。
③集中の原則
基本的に、戦いは数が多い方が有利だとされる。しかし、総数では劣勢でありながら、大軍を相手に勝利した戦史上の事例は少なくない。そうした事例における勝因は様々だが、その理由の一つとなり得る原則が、この「集中の原則」である。集中の原則とは、その時点のその場所で相手より多くの戦力を「集中」させること、というものである。つまり、局所的に数的有利を作り出し、それを繰り返して各個撃破することで勝利しようという訳だ。
④経済の原則
必要なら犠牲を恐れず目的のために取捨選択し、リソースを最大限に活用しようとする原則。要するに、「資源も時間も資金も人手も、全部有限なんだから効率よく消費して計画的に運用しましょう」ということ。リアルの時間をどう使うかとか、懐具合と相談しなきゃとかいった感じで考えた方が馴染みやすいかもしれない。あえてゲームで言うなら、タイムアタックなどのやり込みの類か、CIVやHoIみたいな戦略ゲーだと重要そうな考え方ではある。まだやったことないので分からないけども(興味はあるので、そのうち是非ともやってみたいところ)。⑤機動の原則
戦いに勝ちたければ、なるべく相手より相対的に有利な状況でありたい。そのためには、より有利な場所や陣形などに移動する必要がある。それもできるだけ速やかに。それは攻撃側であれ防御側であれ、変わらないことである。相手より速く動けるなら、それだけ相手より早く有利な場所に到達しやすく、また相手より準備できることも増える。つまり速いだけでかなり有利になり得るのである。「兵は拙速を尊ぶ」と昔の人も言っている。ここでとある兄貴のセリフをいただこう。「この世の理はすなわち速さだと思いませんか、物事を速くなしとげればそのぶん時間が有効に使えます、遅いことなら誰でもできる、20年かければバカでも傑作小説が書ける! 有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家、週刊よりも日刊です、つまり速さこそ有能なのが、文化の基本法則!そして俺の持論でさ-------ァ!」(『スクライド』第2話ストレイト・クーガーのセリフより)
⑥統一の原則
こんな経験はないだろうか?先生「○○しなさい」
親「○○? 別にやらんでエエやろ、んなもん」
これを聞いた子どもはたいへん混乱する。どちらの言うことを聞けばいいのか分からなくなる。子どもの時に限った話ではない。上司でも何でも、立場や力関係で自分より実質的に上位の者たちの発言や指示が矛盾している、というのは実によくあることなのです。で、結局どっちつかずになって失敗するなんてことも、本当によくあることなのです。こうした状況を防ぐためにも、組織内の指揮系統は一本化しておきましょう、というのがこの原則。組織の分裂とか勢力の分散に繋がるリスクもあるしネ。……まぁ、ぼっちゲーマーの私にはあまり関係ねーのだが。でも別に寂しくないよ~…よ~…よ~おうおう( ノД`)
⑦保全の原則
ゲームやビジネスなど、競争原理が適用され得る多くの分野で応用可能な戦いの原則だが、この原則が最も民間での適用分野が多そうだ。米軍の教範では「警戒の原則」と呼ぶそうな。こちらの呼称の方がイメージを掴みやすいかもしれない。「あらゆる危険を想定し、自分たちの利益や人々を守り、保全しよう(大意)」という感じの原則である。要するに災害その他による被害を未然に防ぐため、対策するべしというものなのだが、言うは易くとも行うは難しなのが世の常人の常。何しろこの原則、基本的に想定外だの何だのは許してくれない。わずかでもあり得るのなら、それはいずれ起きることとして対策することが求められる。しかし、災害なんかは概して想定を越えるからこそ被害が出てしまう訳で。戦いでも、後述する通り相手は常にこちらの予想を上回ろうとする。そもそもリスクを考え出したらキリがないし、コストとかも考えたら現実的じゃねーのです。だから、どこかで折り合いをつける必要が出てしまう。その折り合いのつけどころが難しいハハハ誰か助けて偉い人(。´Д⊂)⑧奇襲の原則
奇襲。広辞苑によれば、「敵のすきをねらって、不意に襲撃すること。奇策で敵を襲撃すること。不意打ち」とのこと。つまり、「相手の予想外のタイミング,場所,方法によって、相手の虚を突いてやれ」ということである。無意味にオブラートに包んで表現するとサプライズ。可能な限り秘匿することが求められるため、陽動の陰で少数の別働隊を用いることが多い。総数では劣勢であっても、奇襲に成功すれば逆転できることもしばしばあり、実際に逆転し英雄として後世に名を刻んでいる人物も結構いる。……まぁ、それだけ難しいってことでもあるけども。上手くいきさえすれば有効なのは間違いないので、基本的に相手は常にこちらの予想を超えようと躍起になる。もちろんこっちも躍起になってお顔真っ赤になることばかりである。互いに互いを化かし合う。とかくこの世は疲れるものよホッホッホッ。
⑨簡明の原則
つまるところ、Simple is Best。これに尽きる。どんなに優れた企画や作戦でも、それを実践するのは現場である。だというのに、現場の誰も内容を理解してなかったらたちまち意味ねーのだ。だから関わる人々の間には常に共通理解を図る必要があるし、その努力を怠ってはいけないのです。ゆえに「『何のために、いつ、どこで、どうやって』といったことを分かりやすくてかつ伝えやすいよう簡明,単純にするべし」ということ。
戦いの原則は、『孫子』にも原則を見出だして整理しようとする姿勢が見られるなど、その歴史は古い。それでいて今なお研究途上の分野であり、各国の事情など諸々を反映しながら更新され続けている。例えば物量の原則(アメリカ)とか、殲滅の原則(ロシア)とか。字面がおっかないな。
うーん……。思ったよりお堅い内容を書いた気がする。もっとライトに書こうと思ったのに。途中からゲームから離れた気もするし(応用はできると思うが)。てか、長くなってしまった。今日のところはこの辺で。
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